日本のアクセス解析のトップランナーである小川卓さん。 実はAnalytics Backup by QA (旧:Google Analytics Data Backup by QA)の最初のユーザーになってくださいました。 実際に導入し、データをご覧になって、どう感じられたのか。率直なところを広報担当の森野がお聞きしました。
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森野:Analytics Backup by QA のインストールは難しくなかったでしょうか?
小川:マニュアルもありましたし、問題なくインストールすることができました。
森野:WordPressは既存のサーバーか新規サーバーのどちらにインストールされましたか?
小川:サーバー容量も空いていたこともあり、既存のサーバーにインストールしました。 既にサーバーを持っていて、DB数や要領に問題なければこっちが経済的ですよね。
森野:WordPressのインストールができてもGoogle API接続が難しいかと思うのですが、そちらも大丈夫でしたでしょうか?
小川:私がAPIに慣れていることはあるかも知れませんが、マニュアル通りで出来ました。 Googleアナリティクスのビューの選択も問題なくでき、ダウンロードされたデータもすぐにビューワーで見えました。
森野:データのダウンロードも問題ありませんでしたか?
小川:3ビューをダウンロードしました。意外と早めにデータがダウロードされた印象です。 翌日にはデータが見れていましたし、特に問題はなかったですね。データが溜まっている途中のデータも見れるので、ダウンロードされているという安心感がありますよね。
森野:実際にダウンロードされたデータを見た率直な感想を教えてください。
もともと完全に再現する必要はないと考えていました。 全体として問題はないですね。見れるデータとしてはこれくらいあればいいかなと思います。
コンバージョンデータや、参照元・メディアレポートで、キャンペーンの情報は一緒に見れるといいなと思いました。コンバージョンデータは今後対応されるのですよね?あとは流入元ごとに時系列のグラフで見れると嬉しいですね。ランディングページも流入元ごとに情報が出ると嬉しいです。
森野:確かにそうですね。ユニバーサルアナリティクスでは参照元/メディアなどのレポートでは時系列のグラフが表示されて、それを見るだけで傾向がわかりましたよね。今後のアップデートで反映させたいと思います。
地域データやユーザー属性が今は画面に出ていないですが、そちらはどうでしょうか。
小川:ユーザー属性って参考値だしAPI経由だとうまく取れないですよね。設定不足で取れるサイトと取れないサイトもありますし。 地域は企業によると思います。特定のエリアをやっている場合は優先順位が変わりそうですね。ただ、なくてもどうにかなるかなと思います。
森野:特定地域に強いとか全国規模の会社は地域があるといいかもしれませんね。eコマースデータも今後自動アップデートで対応されるのですが、どう思われますか?
小川:eコマースはオプションでいいと思いますが、あれば安心しますよね。通販事業者さんの場合は必須だと思いますし。
森野:これら以外にあったら良いというデータはありますか?
小川:他にはいらないかなと思います。 ナビゲーションサマリーなどはいらないし。 イベントも取れなくてもいいですよね。コンバージョン設定だけ閲覧できれば。 期間比較はあったらいいけど、まぁ手動で二つブラウザを開いて比較すればいいですしね。
セグメントやカスタムレポートも要らないと思うしキリが無いというか。 結局、このようにデータを絞って必要なところだけ見れればよいと思うのですよね。
森野:バックアップのデータなので細かい分析に使うことはないですよね。やりだしたらユニバーサルアナリティクスになってしまいますし(笑)。
森野:導入後にバックアップデータはどんな使い方をするイメージになりますか?
小川:おおよその傾向をみるのが主になりそうですね。 去年の今頃ってどうだったっけ?とかを見るイメージです。季節トレンドをみたいとか。こういう広告出していたよね、とか。 あとコンバージョンを見たいかなと思います。 アクセス解析する人であれば基本的な指標のチェックの部分ですね。
森野:過去にさかのぼって細かい分析をすることもないですしね。ユニバーサルアナリティクスのデータは2023年12月以降保証されていませんし、Google オプティマイズも終わるのでデータが残る感じもしないですよね。
小川:Googleは残さないと思いますね。そもそも残してくれるならユニバーサルアナリティクスを続ければいいだけなので。 やはり今年の12月までで、来年以降は画面ごとバサッと切る可能性の方が高いのではないかと思います。 だからこそ、バックアップが取れるのは助かりますね。安心感があります。
森野:ユニバーサルアナリティクスと違いQAでは各表をExcelみたいなフィルターで絞り込めます。使い心地はいかがでしょうか?
小川:Excelみたいでわかりやすいですよね。違和感なく使うことができました。キャンペーン名やページ名で絞り込むとかフィルターは使いたいですね。
森野:CSVダウンロード機能は使いそうでしょうか。
小川:WordPressの管理画面に入れない人向けに、CSVで渡す用途はありそうですね。 ダウンロードするのはその時でしょうね。あとは、自分で独自のグラフを作りたい時とかですかね。 基本的には、使わないと思います。ビューワーのグラフで流入元ごとのアクセス推移が見れれば十分で。
森野:ユーザーに関しては、ユーザー管理機能が今後の自動アップデートで追加されます。そうすると任意のビューの閲覧だけできるユーザーをWordPressに自由に追加できるようになります。
小川:それは素晴らしいですね。早く欲しいです(笑)。
森野:他に気になっているところはありますか?
小川:一度閲覧していたビューは、他のメニューに移って画面を遷移しても戻ったら残っていてほしいですね。再度選択して表示させるのは面倒なので。
森野:それは私も思ってまして開発に要望を出していました。Analytics Backup by QA はQAアナリティクスに準じて機能が増えます。基本的に自動アップデートです。コアな機能の場合はzipファイルが配布され、それをプラグイン画面からアップロードすれば反映されますので、機能アップデートには手間がかからないようになっています。
小川:他にはメモがバックアップできるならダウンロードしたいですね。 表はユニバーサルアナリティクスに準じているのでしょうけど、本当は参照元/メディアではメディアが一番左端の列にあった方が絞り込みでは使いやすいですよね。
森野:メモは確かに!データだけじゃなくて施策がかかれていたら便利ですよね。集客に関してはチャネル→メディア→参照元の順の粒度ですよね。Google アナリティクスが出たころからこの表なので慣れちゃってますが、分析時にはちょっと使い勝手が悪いです。
小川:クロスドメインのデータはどうなるんでしたっけ?
森野:クロスドメインでホスト名を入れる設定にしていなければ、URLは合算されてしまいそうですね。このあたりは頻発しそうなので区別できないか検討しますね。
森野:総評をお願いできますか?
小川:実際に使ってみた感覚で、やはりデータが消えずにいつでも見れるという安心感があります。それが一番大きいと思いますね。
悩ましいところでいくと、需要が高まるのはもうちょっと後かも知れないですね。 具体的には7月以降、ユニバーサルアナリティクスが停止し、過去データが永久に見れなくなると気づく人が多くなってからな気がします。そこからが本番というか。
森野:まだユニバーサルアナリティクスの停止自体を知らない人が多いですしね。今のうちにフィードバックをいただいて使いやすいものにしていきます。
小川:あとは、どういった規模の企業がバックアップしたいかですね。 本当に小さな規模はやらなさそうですが、中規模以上はやりたいですよね。 ウェブ制作会社や広告代理店など、毎月のレポートを出しているところは、オプションとして販売する需要が多くなる気がします。
森野:社内にしろ社外にしろレポートを作成して報告している場合はバックアップが欲しいですよね。パワーポイントやExcelのデータではよくわかりませんから。
小川:マニュアルもありましたし全体としては使いやすかったです。
森野:ありがとうございます!小川さんから「使える」といってもらえたので安心しました。もし小川さんが難しいといったら、誰も使えないと思うので(笑)
お互いにアクセス解析がわかっている者どうしの話でしたので、15分ほどのインタビューでも中身が濃いものとなりました。ユニバーサルアナリティクスを使って何かしらの報告をしている企業では必須のツールになってきそうです。
小川さん、ありがとうございました。
※)Analytics Backup by QAに製品名を変更しました。(2023/3/8)